・アレニル
・1期ベース



地上での休暇は宇宙で過ごすより断然良いと俺は思ってる。元々が地球育ちだからかもしれないが、重力は心地良いし身体を撫でていく自然の風も気持ち良い。それに食事だって宇宙の決められたもんじゃなく、自分で好きなもんを買って作って食べられる。生きてるよなぁって実感する時間だ。

・・・・・だけど、何事にも限度ってもんがあると思う。
今回の休暇はアレルヤと一緒に過ごすことになった。それに問題はない。ないどころか嬉しいくらいだ。
けど・・・けどなっ!
「えーっと、これとこれと。あっ!これもすごく美味しそう!こっちも・・・・・あれ?ロックオン、どうかしました?」
セーフハウスで過ごす為に出た買い物先で良い匂いに釣られて入ったパン屋。今夜の夕飯と明日の朝飯の分を買うつもりでいたのに何だその大量なパンの数は!トレイ山盛りじゃねぇか!しかもさっきスーパーで肉も野菜もいっぱい買ったじゃねぇか!
「・・・・・いや。アレルヤ、一つ聞くが一体何日分買うつもりなんだ?」
「え?何日分って、今日の夕飯と明日の朝食分でしょ?さっきロックオンそう言ったじゃないですか。」
さも当たり前のように、さらりとアレルヤに言われて俺は頭を抱えた。あぁそうだったな。おまえの食事量は半端じゃなかったよな。失念していた俺が悪かったよ。ははっ!
ストロベリーにオレンジ、ブルーベリー、ココア、キャラメルにベーコン、クロワッサン、バケット諸々。山盛りにしたトレイを持って、アレルヤはいそいそとレジに向かった。俺はその量を見ただけで腹いっぱいになりそうだぜ。

店先、パンがこれでもかというくらい詰まった袋を覗き込んで、アレルヤは少し少なかったかな、と呟いてる。マジでか!?
「うーん・・・あ、じゃあ食後のデザートにロックオンを頂くことにします!」
名案を思い付いた!とばかりに爽やかに笑うアレルヤの後頭部を気付けば思いっきり叩いてた。
そんなことを昼日中大通りで口にするんじゃねぇ!つーか、俺は食いもんじゃねぇ!





2008.12.01〜2009.01.31 Clap