・アレニル
・2期終了後? もちろんニール生存
ぽかぽかと暖かい日差し。抜けるように蒼い空。時折吹き抜けていく心地良い風。一面に広がるシャムロックの緑も、その風を受けてさわさわと揺れ動いている。
その姿を眺めていれば、心も自然と凪いだ海のように穏やかな気持ちになっていく。昔からこの心落ち着く景色は好きだった。
つい、と顔を下に向ければ、そこには膝の上で気持ち良さそうに眠るアレルヤ。
その表情もまた穏やかさに溢れていた。
自ら選んだとはいえ、課せられた使命を終えた今。まさかこんな日が迎えられるとは思っていなかったけれど。
それでもこうして穏やかに時間を紡ぎ、アレルヤが側に居てくれる日々を素直に愛おしいと思う。
時間もアレルヤも、もう手放したくない。
そんなことを望む自分はどれほど強欲なのだと思わずにはいられないけれど、それでも尚失いたくはないという気持ちは抑えきれない。
短くなったアレルヤの前髪をそっと手に取れば、さらさらと風に吹かれて手から零れていく。
でも、どうか。
やっと手に入れたこの幸せを、もう二度と失わないように。
そう願って、唇をアレルヤの額に寄せた。
2009.04