・アレ→→ロク(ニール)のアレ視点。報われないアレルヤ。
・激短
どんなに想いを深めても。どんなに言葉を重ねても。どれだけ身体を交えても。
僕の気持ちは何一つ、貴方には届かない。
最初は戯けているだけと思われたのだろうか。好きです、と伝えた言葉はあっさりとうんという肯定の言葉だけ返された。それを何度繰り返しても、返されるのはやっぱり同じ反応で。
いい加減焦れた僕は、本当の意味を知って欲しいという意味を込めて欲しい、抱きたいと口にすれば、それすらも案外あっさりと受け入れて、貴方は簡単にその身体を僕に差し出した。
気持ちの通じ合わない行為は悲しいだけだったけれど、それでも僕は貴方をこの腕に抱けることが嬉しくて、何時かはちゃんと僕の気持ちに気付いてくれるだろうと信じて何度も何度も行為を重ねた。
そして何度も重ねる内に、貴方は何かを必死になって拒んでいることに僕は気付いた。この行為のことじゃなくて、何か別の、自分の中にある何かを頑なに認めないように、と。
否定して、拒んで、無視して。まるで貴方は自分の心を凍らせようとしているの?
ならば。
僕より体温の低い身体を抱きながら、僕は思う。
この貴方への想いを熱に変えて、貴方のこの身体も凍てつきそうなその心も、全て融かしてしまえたら、と。
何もかも解き放して僕の腕に抱かれればいい。
2008.09