・ディランディとちびハプティズムパロ
・雪遊び



朝起きたら、外は一面の銀世界だった。
その原因を喜ぶのはもちろんおちびたちで。でも今回はいつもならしかめっ面をするライルさえ表情を少し崩してる。
ただ、今日が休日でよかった、という理由なわけだが。

休日特有の少し遅めの朝食を終えれば、もちろんおちびたちは雪で遊びたがる。本来なら公園にでも連れて行ってやるのがいいんだろうけど、この時間だともう踏み荒らされてる確率が高いだろう。
申し訳ないけれど、今日のところは少量のベランダの雪で我慢してもらおう。

ハロにおちびたちの監視を頼んで掃除機を掛けていれば、ベランダの方から俺を呼ぶ声。
「ろっくおん、みてみてー!」
「らいるもこいー!」
2つの声に呼ばれてベランダの方へと行ってみれば、「「ほらー」」とアレルヤとハレルヤの並んだ自慢気な顔。そして指差された場所には少々いびつな雪玉をくっつけただけの小さな雪だるまが2つ。更にそれより一回り大きな雪だるまが2つと頭がない雪玉だけのものが1つ。
「「??」」
並べられた雪だるまたちに思わず首を傾げる。そんな俺たちにおちびたちは更に得意気になって、
「これがーろっくおんでー、こっちがらいるー!」
「で、これがあれるやでー、これがおれ!それからこれがはろ!」
1つ1つ指差して教えてくれる二人の顔はとっても楽しそうで。そんなおちびたちに俺は不覚にも胸が熱くなった。あぁ、なんてこった。
「そっかぁ、ありがとうな。アレルヤ、ハレルヤ。」
二人の気持ちが嬉しくて頭を撫でてやれば、えへへー、と嬉しそうに笑う顔がまた可愛らしい。ライルも満更じゃないみたいで、優しい目でおちびたちと雪だるまたちを交互に見ている。それにハロも自分が一緒に作ってもらえたことが嬉しいのか、『ハロモ!ハロモ!』と部屋中を飛び跳ねていた。

本当にアレルヤとハレルヤには驚かされてばかりだ。こんなに小さいのに俺たちのことを考えてくれているなんて思わず涙が出そうだ。いや泣いたらライルに何言われるかわかんねぇから泣かねぇけど。
でもほんと、この二人を引き取って家族になって良かったと心から思う。

肌を刺すような冷たい外の空気に反して心がとても暖かくなった、そんなある日の休日。





2009.02.01〜2009.03.31 Clap